水中トラップ設置方法

水の中の虫取り

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罠が用意できたら、実際に仕掛けに行きましょう。

まず胴体部の中に適量のエサを入れ、二つのパーツを合わせます。
接続用の短い紐をきっちり占めてパーツを繋げ、決しては外れないようにしましょう。

縁に近い部分の穴にビニール紐の端を結び付け、水中に投じます。
中が空っぽの時はすぐには沈んでくれないので、一旦中に水を入れてから水に下せば早く沈んでくれます。
中に水を入れても沈んでくれない時は、中に小石などを入れて重りにしてみましょう。

罠が底に沈んだのを確認したら、紐の反対側を岸にある適当な物に結び付け、流されないようにしておきます。
これでセット完了です。

1日たったら、紐を引っ張って罠を引き上げます。
中に生き物が入っているかどうかは、罠の出来とポイントの良し悪し、後は運次第です。

仕掛けるポイント:ため池

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ため池は田んぼに安定して水を供給するために作られた人工の池です。
ゲンゴロウやタガメといった有名な水生昆虫は、完全に自然な環境よりも、里山に作られたため池に適応して数を増やしました。

現在では農業環境が変わってため池自体が減っている上、周囲の田畑で農薬が使用されているために虫が棲めない、護岸されているために生活場所となる水草が育たないという問題が出てきているので、水生昆虫が棲めるため池は少なくなっています。

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水生昆虫がたくさん要るため池は、人里離れた地域にある方が好都合です。
山間部にあり、山からのきれいな水が入ってくる場所が良いポイントになります。
目安としては、近くにある水田でカエルよりもヤモリをたくさん見かけられる地域が良いでしょう。

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池はそれほど広くなく、深くもなく、水草がたくさん生い茂っている所が水生昆虫が棲みやすい場所です。
耕作が行われなくなった休耕田も、水が溜まったままになっていればため池と同様の採集ポイントになります。

ただし、放置されている期間が長く荒れてしまった水田は、植物が生い茂り過ぎて水深が浅くなるので、そうした場所は避けた方が良くなります。

仕掛けるポイント:水田

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タガメと同様に水中にすむカメムシ類であるタイコウチやミズカマキリは比較的汚染などに強いので、ある程度人里に近い池や田圃の中でも見かけることが出来ます。
条件としては、近代的な整備がされておらず、水深がそれほど深くない場所が良い点は同じです。

昆虫以外でなら数が多いのは、カブトエビ、ホウネンエビといった小型の甲殻類です。
カブトエビやホウネンエビは耐久卵とも呼ばれる頑丈な卵を産み、全く水が無い状態でも長期間生き延びます。
冬の間は卵の状態で泥の中で過ごし、水が入ると一斉に孵化します。

オタマジャクシも水田に多く、こうした罠で捕まえられる生き物です。
こうした生き物たちは水生昆虫よりも数が多く、周囲が護岸されていようが都市部に近くてもよく見かけることが出来ます。

ただし、水田は人が農業をする場所なので、勝手に罠を仕掛けるのは良くありません。
許可をとったり、水田のすぐ外の用水路に仕掛けたりするなど、迷惑をかけないように配慮しなくてはいけません。

仕掛けるポイント3:川

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水に棲む昆虫は魚ほど泳ぎが達者なわけではないので、流れが速い場所は苦手です。
大きな川の真ん中に罠を放り込んでも、いるのはザリガニぐらいなので、ペットボトルの罠にはかかりにくいでしょう。

もっと流れが緩やかで、ひざぐらいの深さの場所なら生き物の存在が期待できます。
川の水生昆虫は石の下などを好むので、わなを仕掛けるついでに川底の石や砂を蹴ってみて、生き物が流れ出してこないか見てみましょう。

大きな池や沼に流れ込む水路や小川などでも、水生植物が豊富な環境なら様々な生き物が期待できます。

どんな場所に仕掛ける場合でも、最初に観察してみて、トラップにかかりそうなサイズの生き物がいることを確認しましょう。

仕掛ける時期

多くの水生昆虫は春の中盤から夏の盛りにかけて産卵を行うので、昆虫採集をするならこの時期です。
昆虫以外でも、カブトエビなどの甲殻類は夏、オタマジャクシは春ごろに活動するので、やはりこの時期がねらい目になります。

期待できない場所:海

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昆虫は海水に生息する種はほとんどいないので、罠が使えるのは池や川といった淡水域になります。
海の潮だまりなどではいろいろな生き物が入ってきますが、少なくとも昆虫が入ることは無いでしょう。

海水と淡水が入り混じっている汽水湖なら、それなりに生息できるかもしれませんが、あまりお勧めは出来ません。
海に近い場所なら、海から離れたところにある池などで探してみましょう。

期待できない場所:護岸されている所

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コンクリートなどで護岸されていると、大抵の水生昆虫は生活できなくなります。
水生昆虫は常に水の中に棲んでいるわけではなく、さなぎになったり冬を越したりするためには地面に穴を掘るからです。

何より、水辺に生える植物は生き物にとってなくてはならない存在です。
水辺の植物は昆虫たちに隠れ場所やエサ、産卵場所を提供する大切な存在なので、植物が生えないように護岸されていれば昆虫が生きていけるはずもありません。

注意点

この罠は水中に仕掛けることになるので、当然ながら水に落ちないように気を付けなくてはいけません。

山間部の池の近くは足場が悪く植物でわかりにくいこともあるので、足を踏み外して池に落ちたり、けがをしたりする危険性があります。
また、山の近くの水辺にはマムシが生息していることもあるので、慎重に行動しましょう。
必ず長袖、長ズボンで、野外活動に適した履物を身に着けておきましょう。

山や水田は人の持ち物であることが多いので、入ったりわなを仕掛けたりするには許可を取っておくべきです。
罠もすぐに回収できるように注意して、流されてゴミになったりしないようにしっかりと近くの物に結び付けておきましょう。

また、近年では水生昆虫は数を減らし、絶滅危惧種になっている物も多くいます。
タガメもゲンゴウロウもレッドデータブック(絶滅のおそれがある動植物のリストを乗せた本)に記載され、かなり希少な存在であることを伺わせます。
小型のゲンゴロウ類には採取自体が禁止されている種類もあり、持ち帰るのは違法です。

絶滅危惧種の生き物でなくとも勝手に持ち帰るのは良くなく、飼うにしてもそれなりの設備と知識、技術が必要です。
罠にかかった生き物の種類と様子を確認したら、早めに逃がしてあげましょう。

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